育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

マドレーヌを作りたくなって(育休158日目)

 

天気 快晴

 

今日は午前中からマドレーヌを作る。本当は昨年末から作りたかったんだけど、だいぶ時間が空いてしまった。

 

作りたいと思ったきっかけは、湊かなえの小説『未来』をAudibleで読んだから。

 

未来

未来

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「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」

ある日突然、少女に届いた一通の手紙──。
家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちに待つ未来とは!?

デビュー作『告白』から10年、湊ワールドの集大成となる長編ミステリー、待望の文庫化!!

本紹介より

 

本紹介や序盤の子供作文のような展開から、ファンタジー系の小説?と思ったけど、すぐに湊かなえが得意とする重々しい舞台になってくる。耳で聴いていて、なんとも救いようのない気持ちになる。結末は言えないが、よくこんな後味の悪い話を書いたもんだな、と、イヤミスの女王に突っかかりたくなる(褒め言葉)。

 

ただ、ストーリー以上に、読み手の「のん」ちゃん、いや、「のん」さんの素晴らしさに感動した。これを聴くためにオーディブルに入会しても損はない。彼女、やっぱり役者として唯一無二だと思うよ。朗読のような多様な登場人物が出てくると、その演技力が恐ろしく際立つというか…。

 

彼女の代表作は『あまちゃん』でも『この世界の片隅に』でも『さかなのこ』でも『ラクスル』でもない。私にとっては、間違いなくオーディブルの『未来』である。

 

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急にのんちゃんに興奮してしまったけど、小説『未来』の中で、マドレーヌが1つ重要な要素になっている。とある登場人物たちの間で、マドレーヌがそれぞれの結節点になっているのだ。

 別にマドレーヌについて詳しく書いているわけではないのだけど、小説内の描写に触れて、「マドレーヌ作りたいなあ」と思ってきた私がいたわけである。

 

私自身、マドレーヌは独身時代に何度か作っていた。マドレーヌって、作り方がシンプルな割に、形が独特なので、なんとなく「作れたらすごいお菓子」の1つな気がするんですよね。実際作ってみると難しくはないんだけどね。

 ただ、実際に凝った作り方をしようと思うと、材料や製法をこだわることで、さまざまなバリエーションを作ることができる。そんな奥深さがある一方で、プルーストの小説『失われた時を求めて』で有名なプルースト効果(香りから一定の記憶や情景を思い出す現象)のような文学的な表現にも使われたり…なんか魅力的なお菓子なんですよね。

 

 

前置きが長くなりましたが、今日は、凝ったレシピではなく、息子一太郎(2歳)でも食べられそうなシンプルなレシピで作ってみる。

 

型は独身時代に持っていたやつ。昔はよく使っていたんだけど、久しぶりの出番だぜ。捨てなくてよかった。本当はハチミツが欲しかったんだけど、家になかったのでオリゴ糖で代用。

 

計量していると、一太郎が「なにしてるの?」とニコニコしながら寄ってくる。シメシメと思っている私。

 

ホイッパーを使うのは結構得意。いつもキッチンからホイッパーをとってきて、「モイモイモイ~」と言いながら振り回して遊んでいるからね。

 

材料を撹拌した後、生地を休ませるために冷蔵庫に入れる。その間、家族で公園に遊びに行く。

 

公園のブランコで遊んでいたら、近くの子供(5~6歳の女の子)が、YOASOBIの『アイドル』を完璧に歌っていたので驚いた。あんな難しい曲、よく歌えるな。『さんぽ』を歌っていた一太郎は萎縮したように黙りこくってしまった。

 

 

帰って昼食を食べ終えたあと、マドレーヌ作りの続き。生地をホイップの袋に詰めて、一太郎と一緒に絞っていく。

 

 

型をオーブンに入れて、スイッチオン。一太郎に「お昼寝ちゃんとしたら、おやつの時に食べようね」と言うと、一太郎は「うん」と頷いてどこかに走っていってしまった。多分、寝室で寝たふりをしているのかな?と思い、放って置いて、オーブンの焼き具合をみる。

 

一太郎が戻ってこないので、寝室に行ってみると…

 

 

本当に眠っていた。一人で眠っていたので、妻が布団をかけてあげたらしい。妻は「私がいなくても一人で眠れるんじゃないの」と嬉しような不服なような顔で言っていた。

一太郎の様子を見て、よっぽどマドレーヌを食べるのが楽しみだったのかなあ、と、勝手に喜ぶ私。単純に公園遊びで疲れただけかも知れないけどね。

 

 

さて、マドレーヌは15分ほどで焼き上がる。

 

 

「マドレーヌのへそ」もしっかりできたので良かった。ただ、打ち粉の強力粉がなかったので薄力粉で代用したのだが、やっぱりうまく剥がれなかった。これはちょっと後悔。お菓子はやっぱり段取りが大事ですね。

 

妻と一太郎が昼寝から起きた後、みんなでマドレーヌを食べた。

バターを有塩バターにしたので甘じょっぱい。ただ個人的にはこっちのほうが美味しく感じる。妻も一太郎も2個目に手を伸ばしてくれたので、今回は成功ということで。

 

残ったのはラップにくるんでジップロック。明日のおやつかな。

 

マドレーヌを作った記憶、マドレーヌを食べた記憶が少しでも一太郎に残ってくれたなら…いや、別に残んなくてもいいか。単純に私が楽しかったです。また何か作りたいな。