土曜日。晴れのち雨
午前中に息子の一太郎とクッキーを作る。妻から急にクッキーを作りたい、と言われたから。
材料はこだわらなければすぐにできるので、とりあえずやってみる。
生地は、練った後、30分ほど冷蔵庫で休ませる。その間に洗濯物を干したり片付けたり。妻が二太郎を連れて散歩に行ったので、一太郎と二人で型抜きをする。
型は家にあったやつでテキトーに。
この画像を見て分かる通り、まあ、綺麗にできました。ただ、ちょっと反省があって…
「ダメだよ、ちゃんとキレイに抜かないと」
「うん」
「もう1回やってみよう」
「うん」
「いや、だから、ほら、優しく抜かないと切れちゃうんだよ。優しく丁寧にやるのよ」
こんな会話を何度したことか。書いていて恥ずかしくなる。
別にうまく型抜きができなくてもいいのだ。歪な形のほうが個性的でよかった。それなのに、私の中の意味のない傑作意識というか、ちゃんとやらないと!という気持ちが先走ってしまい、一太郎と楽しむ、という目的を見失ってしまった。バカなのかお前は。2歳児に何を求めているんだ。
妻が一緒にいてくれていたら、こんな私をたしなめてくれていたのだが…。
私自身の記憶だが、小学校の頃の習字の宿題で、私の母が妙に気合を入れて何度も書き直しをさせたことがあった。結果的に「金賞」になったのだが、正直、私が書いたというよりも、これは母に書いたものじゃないのか?という気持ちがあり、心の底から喜ぶことができなかった。そういう記憶は残ってしまうものである。今回の私の行動も同じようなものだろう。反省しなければならない。
クッキーは15時のおやつに食べることにし、バタバタと昼食の焼きそばを作る。妻は二太郎に母乳をあげていたので、私と一太郎が先に食べていたのだが、一太郎は
「あついからたべられない。しろいごはんがいい」
と言って、焼きそばに手をつけない。私はそれをワガママと捉え
「焼きそば作ったんだから焼きそば食べなさい。焼きそば食べないなら、しろいごはんは食べちゃダメよ」
と言う。一太郎は「ヤダ!」と言って、椅子から降りてしまった。私は一太郎に「食べたくないなら食べなくてもいいよ」と言って、一太郎の焼きそばを片付ける。そして、イソイソと焼きそばを飲み込み、空腹の妻と交代する。
二太郎を抱っこしながら
(いそいで食べたからわかんなかったけど…もしかして今日の焼きそば、一太郎からしたら、辛かったのかしら?)
口に残る少々のヒリヒリ感が気になった。一太郎は「あついからたべられない」といったけど、本当は「辛いから食べられない」と言いたかったのではないだろうか?今日使った焼きそば麺はいつも買っているヤツではない商品だった。もしかして…そういうことなのか?
そんな事を思った矢先、焼きそばを食べ始めた妻が
「・・・ちょっと、この焼きそば辛くない?」
と言う。私は「あちゃー」となり、一太郎の方を向いて
「ごめんね、もしかして、焼きそば辛かった?食べないんじゃなくて、辛くて食べられなかったよね」
と謝る。一太郎はぽかんとした様子で「うん」と言う。焼きそばの代わりに、一太郎が好きなメカブごはんを用意する。一太郎は椅子に戻り、かきこむようにメカブごはんを食べていた。
妻からは、「こんな辛いの食べられませんよ!自分が食べてるときに気づかなかったの!?」とお叱り。いや、ごもっともなのだが、早く食べて妻と交代しなきゃと思って飲み込んだから気づかなかったのよ、と頭の中で言い訳を言う(当然、口には出さないけど)。
クッキーといい、焼きそばといい、一太郎には悪いことをしてしまったなあと反省した一日だった。すまんなあ、一太郎。
お昼寝後、15時にクッキーを食べる。一太郎は「サクサクでおいしい」「もういちまいたべたい」と喜んで食べてくれていた。お詫びの気持ちでたくさん食べさせたかったけど、妻の目があるのでやめておいた。また一緒につくろう、その時は余計な口出しはしないからね。