育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

昔の中流は夢のまた夢(育休124日目)

 

最近、就寝が午前1時頃になっている。二太郎の寝かしつけがあったので、夜が遅くなることは続いていた。だが、今は21:30頃には家事育児から開放されるので、別に早く寝ても問題はないのだが…。

別に布団に入ればストンと寝付くので、不眠症というわけではない。ただ、なんとなく眠れないというか、ソワソワした気持ちで。育休中ということもあり、なんだか漠然と「このままでいいのだろうか」と感じることも多くなっているせいかもしれない。

 

21:30以降何をしているかと言うと、まずはブログを書いている。ブログは記録として残しておきたいので継続したい。ただ、書き終わったあとはなんとも言えぬ時間を過ごす。本を読んだりネットで調べ事をしているのだが、別にあえて睡眠時間を削ってまでやることでもない。さっさと寝ればいい。

 

今日からは早く寝よう、と思ったのだが、最近、この本を読んだせいで、余計に悶々とする夜を過ごしている。

 

かつて「一億総中流社会」と言われた日本。戦後、日本の経済成長を支えたのは、企業で猛烈に働き、消費意欲も旺盛な中間層の人たちだった。しかし、バブル崩壊から30年が経ったいま、その形は大きく崩れている。
2022年7月内閣府が発表したデータでは、1994年に日本の所得中間層の505万円だった中央値が2019年には374万円と、25年間で実に約130万円も減少した。もはや日本はかつてのような「豊かな国」ではなく先進国の平均以下の国になってしまった。なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか。「中流危機」ともいえる閉塞環境を打ち破るために、国、企業、労働者は何ができるのか。その処方箋を探った。

本紹介より

 

なんだか暗い気持ちになる本であった。

中流といえば、一昔前では「マイカーを持っている」「マイホームを持っている」といったようなイメージなのだろうか。妻からもしばしば「マイホームほしい」と言われるが、「将来どうなるかわからないのに、マイホームは相当な負荷となるからダメ」というのがいつもの回答となっている。妻は諦めずに定期的に「マイホームほしい」というのだが、その度に心の中で、家を持つなんてどこの上流階級だよ、と思わずにはいられない(口にも出してるけど)。

 そして、この本を読んだあと、その気持はますます強くなった。

 

本の前半では、マイホームを買ったのに給料が下がって泣く泣く手放さなければならなくなった家族、家のローンを返すために専業主婦だった妻が働きに出ることになった夫婦、海外との価格競争に巻き込まれて苦戦する中小企業、自身の仕事に希望が持てず副業や投資で安定した生活を求める若者、といった事例を紹介している。そして、日本の労働者を取り巻くマクロな労働環境の変化について解説し、今の日本がいかに苦しい状況であるかを述べている。

 

事例の箇所を読むと、「自分はまだマシなほうか?」と思う一方、いつ自分がいるギリギリ安全地帯が苦しい状況に転じるかもわからないことをリアルに想像して、暗い気持ちになる。そうなると、マイホームなんて買わずにまずはしっかりお金を積み立てないと、と思ってしまうわけで。本に出てくる若者の気持ちにうなずいてしまった。

 

なお、本の中では、今後、AIや自動化の波が押し寄せる中、日本の中間層はどうあるべきなのか?その「解決策」を述べている。

 

この「解決策」がね…ちょっとね。

本で提示されているのは、「DXによる技術革新」「リスキリングによる新たな能力の習得」「同一労働同一賃金であり、その成功例を紹介している…のだが、これを読んで

「よし、明日からオレもDX化じゃ!リスキリングじゃ!」

とはなりにくい。本を読む限り、そもそも個人出発でできることはそこまでなく、国や企業が今後のDXやリスキリングの方針を打ち立てたときにそれに遅れること無く順応することが個人には求められているように思われた。それは仕事に希望や理想を持って働く、ということではなく、なんとか時代の変化に取り残されないようにしがみついて行かなければならない、というように受け止められ、なんだか後ろ向きな気分になった。

 

「そんな言い訳言ってないで、なにか資格の勉強とかIT系の勉強とかしろよ。育休復帰後になんとかしよう、とか悠長なこと考えてると社会に取り残されるぞ」

 

という心の声もあるのだが…。本でも書いていたと思うけど、仮にITやAIに関する知識を習得したとしてもそれを実際に現場で活用するシーンが必要になる。育休中に「とりあえずなんでもいいからリスキリングじゃ」といって資格の勉強をしたとしても、それが復帰後の現場で役に立たないとなると、あえて学ぶ意義は薄いし、学んでも宝の持ち腐れになるだろう。そして、私が所属する部署を想像してみると、おそらく宝の持ち腐れになる可能性が高い気がしている。良くも悪くも変化の乏しい業界だからね。もちろん、育休中に組織の方針が変わっているかもしれないし、こんな悠長なことを言っているうちに業界が劇的に変化しているかもしれない。そして、復帰したときには浦島太郎になってしまうかもしれないのだが…。

 

じゃあどうしよう?と思って、今日もまたネットでモヤッとした気持ちの解決策を調べるが…なんにも答えが出ないまま睡眠時間が減りそう。

 

モヤモヤ。