育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

『子どもの発達格差』 今を生きるか、未来を生きるか

 

 

育児中、オーディブルで耳読書。オーディブルは本当にありがたい。

 

◆自制心・思いやりのある子、ない子……なぜ今、二極化?
◇子どもの将来に影響を与える「発達格差」の実態とは?
◆最新の発達心理学が明かす「現代の子どもたちのリアルな姿」


今、子どもたちの間に「ある格差」が生まれている。目標に向けて自分を制御する力
「実行機能」や、他者を思いやる力「向社会的行動」の格差だ。これは子どもたちが、「目の前のことを優先し、今を生きる」傾向にあるか、「将来に備え、未来に向かう」傾向にあるか、幼児期から二極化する現実を示している。さらに、これらの能力が低い子どもは、将来的に健康や経済面で不利になる可能性が高く、逆に高い子どもは、有利になる可能性が高いと言う。
本書では、子どもの将来に影響を与えるこれらの能力の発達に見られる格差を
「発達格差」と名付け、その実態および改善策を紹介する。子育てに悩むすべての親、教育関係者、必読の書!

本書紹介文より

 

本の紹介文が内容を要約しているのでありがたいが、自分でも振り返ってみる。

 

子どもの将来に必要な能力として「実行機能」と「向社交的機能」を挙げており、この2つの能力が、子どもによって格差が生じているというもの。実行機能は、目標に向かって自分をコントロールする力としており、眼の前の欲望に左右されず、また未来に向かって自分の行動を制御する力だ。向社交的機能は、他者を信頼し自発的に行動できる力であり、平たくいうと「思いやり」である。

 

この2つの能力について、いくつかの研究論文や脳の機能から解説する。そして、その能力がどのように育まれるかを説明する。

よくある体験談をもとにした育児指南本とは異なり、発達心理学を基盤としているため、内容は健全。少し教科書チックで慎重な文章からは、筆者の真摯さが伝わってくる。一方で、自身の子どもに対する具体的な教育方法を知りたい場合は「で、結局どうしたら子どもが立派に発達してくれんのよ」と、じれったい気持ちにもなる。

 

本を読んで感じたのは、こういった能力は一朝一夕に身につくものではなく、長い時間、家族や友人、保育・教育機関等で少しずつ身につくものなのだということだろう。ただ、親としてはなにか子どものためにできることはないかと、知育本やコンテンツを探したくなるもの。しかし、子どもはそういったものよりも、例えば親の日頃のコミュニケーションの方法や、物事の捉え方などから影響を受けるものであり、言い換えれば親の背中(親自身は気づかない側面)をみて育つということなのだろう。もっというと、親の影響も、ある年齢まで行くと希薄化し、様々な人間関係によって育まれるものであろう。

じゃあ、親ができることって何?って考えると…まあ、日常生活で楽しく生きている姿を見せること、スマホばっかりいじらずにいろんなことに興味を持っている姿を見せること、妻と仲良く互いを尊重するように会話する姿を見せること・・・などだろうか。

当たり前といえば当たり前だけど、教育という点において、こういった無意識の部分を軽視しがちなのも現実なので、改めて行きたいなと思った。

 

子育ては難しいけど、まずは自分がよりよく生きることが結果として子どもによい影響を与える、と信じてがんばろう。こんな結論でいいのかな?とりあえず、妻と話し、子どもの前でスマホを弄るのは控えよう、ということになりました。