育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

イクメンという言葉を作った男の考え方『イクメンで行こう!』『長いものに巻かれるな!』

どちらも図書館で借りてみた本。2冊とも渥美由喜氏の著書である。

渥美氏のことは事前に知っていたわけではなく、以前読んだ『イクメンを疑え』という本の中に、この本のことが紹介されていたことで知ったのである。

 

kosodateyarotaro.hatenablog.com

 

 

 

育児に取り組む男性、「イクメン」。その意義やメリット、仕事と育児・家事を両立する仕事術、
家事や育児のコツ、そしてイクメン・ライフの楽しさや苦労などを、著者やその他イクメンたちの実体験を基に、ストーリー形式で楽しく紹介します。
男性の育児参加は、家庭生活が充実するだけではなく、ビジネススキルも向上させます。
例えば、イクメンは、勤務する時間が限られるため、業務のムダがなくなり生産性が高まります。また、赤ん坊や地域で出会う多様な人々と接することで、幅広い柔軟な視点が身に付き、コミュニケーション能力が磨かれます。
本書では、こうした個人の問題だけではなく、職場のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に果たすイクメンの役割や、ダイバーシティ(多様性)の重要性についても解説します。さらに、著者が長年取り組んできた「子ども会」での活動経験から、地域社会の子育て支援に男性が加わる意義を伝えます

イクメンでいこう」紹介文より

 

渥美氏の実体験をもとに、イクメンの日常をストーリー形式でまとめたのが本著。そのため、主人公(平均氏)は渥美氏そのものではないらしい。著書の中でも、下記の通り著者と主人公は別人であることを強調している。

 

平均クンも多くの人たちに支えられてはいるものの、家事・育児にかなりのエネルギーを注いでいるという点で筆者とは決定的に異なる。筆者に関してあまりにも美化した虚像が独り歩きするのもイヤなので、強調しておきたい。

P19

 

ただ、書いている感じは著者の経験が色濃く反映されているように思われる(育休を4ヶ月、仕事の鬼のような生活、育休の影響で転職。父の介護も同時に実施等)。

 

なお、著者はしばしば育休関連本でも引用されている「女性の愛情曲線」を編み出した人らしい。私もいくつかの育休・育児関連本を読んできたが、この図を何度も見かけてきた。

 

図 女性の愛情曲線

(出典)渥美由喜「女性の愛情曲線調査」

 

www.twp.metro.tokyo.lg.jp

 

そもそもでいうと、この方が「イクメン」という、ビッグワードを生み出した?らしい。本人もはっきりとは言っていないが。

 

さて、本を読んでみての感想だが、昨今の男性育休本の中ではかなり「男臭い」、というのが印象。育児は仕事に役立つ、とか、タスク管理を育児にも応用する、とか、育休に反対する上司との向き合い方、とか、なんだか男目線での育児言及が多い。物言いもなんだか熱っぽい(暑苦しい)感じがして、「なんかすげーな」と思わずにはいられない。これくらいの熱量がないと男性育児として認められないのか、とちょっと気圧される感じもする。

多分、筆者は相当にパワフルな方なのだろう。だから、暑苦しいんだけど、嫌な感じはしない。周りも面白がってみている感じがする。

 

ビジネス本と育児体験本がミックスされているような、なんだか読み手をかなり選ぶ本という印象。ただ、言っていることはかなり筋立って書かれているので、ハマる人にはかなりハマるのではないか。私は仕事への熱が足りないせいか、関心はするが真似はできんな、と苦笑しながら読んだわけであるが。

 

最終的には本の内容よりも、渥美氏についてちょっと興味を持った。最近は本を出版されていないようだけど、雑誌などには寄稿されているようで、今もなお男性の育児参加のために尽力されているようだ。もしも筆者がまた本を出版されたらチェックしてみたい。