育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

妻の助言はいつでも

 

懐かしい友人に電話をかける。今年は年賀状を出せなかったのだが、一方で彼からも年賀状はなかった。

 

 

私自身、友人は多い方ではない。一方で、妻は友人関係を大事にするタイプだ。

そんな妻に「友達は大事にしろ」と、子供を諭すように言われ、めんどくさいながらも、久しぶりに大学時代の友人に電話をすることにした。

 

21時すぎ。子供を寝かしつけた後、部屋の片付けや食器洗いを済ませ、満を持して懐かしい友人に電話をした。21時44分。遅い時間かなあ、と思いつつ、まあ、最悪ワンギリして、ショートメールを残そうと思っていた。

 

友人は、私の電話を温かく受けてくれた。そして、シドロモドロになる私を笑っていた。私は「妻から電話しろって言われたからさ」などと言い訳をいつまでも言いながら、久しぶりに会話する友人の声を聴いて喜びに浸っていた。

 

 

少し雑談をした後、友人が「もらった電話で申し訳ないんだけど」と言った。そして、私は友人の言葉を聞いて、言葉を失った。

 

友人は、淡々とした口調で、配偶者が友人の元からいなくなったことを告げた。私は何も言えなくなった。友人は、無限に発生する説明事項を、最低限、理解に必要なところだけを教えてくれた。そして、彼は配偶者から「仕事だけじゃなくて友達も大事にしなよ」と言われていたそうだ。

 私は、うなずく以外、何もできなかった。気になることもあったけど、質問はすべきでないと思った。ただ、私は「必ず、そっちに遊びに行くよ。近いうちにまたいろいろ話そうよ」と、まるで社交的な人間が発するような言葉を彼に伝えた。彼は「いつでもきてよ」と言ってくれた。

 

電話を切った後、妻が起きていたのを知り、リビングに移る。

電話のきっかけをくれたことを最初に感謝し、その後で話したことを妻に伝える。妻は驚いて、聞き入るモードに入った。私はできる限り冷静に会話内容を伝えようと思ったけど、涙が止まらず途切れ途切れになった。その様子をみて、妻は黙っていた。いつもは、余計な「つまりこういうことでしょ」を入れてくるのに。

 妻は私の一通りの事情を聞いた後、「早いうちに、お友達さんのところに行ったら?」と言う。今や、妻の助言は天命に近いほどに重要な意味を有しているように感じられ、うなずくことしかできなかった。

 

久しぶりに友人に会って話がしたい。そんな事を思った一日の終り。まずは、電話をしろと言ってくれた妻に、心から感謝をしたい。