育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

寝かしつけとともに『三体』が終わる。(育休94日目)

 

今週のお題「最近読んでるもの」

 

夜。

一太郎を風呂に入れ終えて歯を磨き終えた後、

 

一太郎→妻

二太郎→私

 

で寝かしつけの体制に入る。寝妻から二太郎を引き取った時に、妻から

 

「二太郎、あなただと寝るのね。私だとギャンギャン泣くのに」

 

と言われる。引き取った二太郎は確かに泣いていた。しばらくすると泣き止む。

 

「別に俺の抱っこが寝心地いいわけでもないと思うけどね。というか俺が抱っこしてても泣く時は泣くし」

 

「でも、夜はあなたがいいみたいね」

 

と言う妻。そうこうしているうちに、二太郎がウトウトし始める。私が毎日の夜の寝かしつけを担当していたから、夜は私の抱っこが基準になったのかもしれない。逆に一太郎は「カカと寝る~」とずっと言っているので、一太郎はすっかり妻じゃないとダメな感じになっている。

 

二太郎はここ数日、随分と寝付きが良くなった。今日も19時半ごろに寝かしつけを開始し、20時になる前には寝てくれた。また背中スイッチが復活するかもしれないけど、ひとまずは「頑張ったな、俺よ」と自分に言ってやりたい。

 

さて、寝かしつけの時間に、『ベター・コール・ソウル』を観ていたことは先日書いた。

 

kosodateyarotaro.hatenablog.com

 

ただ、もう一つ、寝かしつけの時間に楽しんでいた作品がある。それがSF超大作『三体』シリーズである。

 

 

全部で5冊の長編。長かった気もするし、思えばあっという間だった気もする。ちょうど二太郎の寝付きが良くなり始めた頃にすべてを読み終えた。なんというか、息子よ、タイミングがいいな(笑)

 

第1巻を読み始めたのは9月中旬ごろだっただろうか。そこから第2巻(上下)、第3巻(上下)と読み進め、約1ヶ月半をかけて読了した。ちなみに、Audibleと電子書籍の2つで読んだのだが、育児中のスキマ時間はコマ切れすぎて電子書籍だとあまり集中出来なかったので、主に息子二太郎の寝かしつけの時にAudibleで聴いて読み進めた。耳読書バンザイ。

(Audibleの画面)

 

 

本の紹介をしたい訳では無いが、一応、あらすじは以下の通り。

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。
数十年後。ナノテク素材の研究者・汪淼(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体〈科学フロンティア〉への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象〈ゴースト・カウントダウン〉が襲う。そして汪淼が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは
本書に始まる《三体》三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

「三体」本紹介より。

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%89%E4%BD%93-%E5%8A%89-%E6%85%88%E6%AC%A3/dp/4152098708

 

第1巻をはじめて読んだのは3年位前だった。ずっと第2巻以降を読みたかったけど、働いているときはまとまった時間が取れずに積読状態だった。

 毎日続く二太郎の寝かしつけの時間にAudibleで改めて1巻から聴き直してみたのだが…どんどん引き込まれていった。いやあ、面白かったです。

 

↓以下、読んでない人無視の感想ベラベラ。ネタバレは無し。

もう、何ていうんだろうね。1巻の内容って、いってしまえば宇宙人が地球に攻めてくる!という古典的な構成なんだけど、それがあまりにも緻密というか、「本当に宇宙人が来てもおかしくない」と思わせられるというか…。1巻は、宇宙人が地球に攻めてくる前段で終わるのだが、もう続きが気になってしょうがない読了感って、久しぶり。

 

んで、2巻になると、実際に宇宙人(三体人)が現実に攻めてくるわけだけど、その前の地球人同志の「面壁人」と「破壁人」との戦い(頭脳戦)は、デスノートで胸熱になった若かりし頃の気持ちを思い出させる。そして、「水滴」のあの度肝を抜かれるシーンは、夜中に息子を抱っこしながら興奮してしまった。え、そんなスケールでやっちゃうの?っていうね。そして、本のタイトルでもある『黒暗森林』の意味を知った時、思わず鳥肌が立っちゃったよね(最初は「なんだこの中学生がつけたみたいなタイトルは」と思っていたけど)。そして、2巻のラストのあまりにも素晴らしく鮮やかな結末に、なんとも深い読了感を味わった。「あ、あれがああなって、これがココを説明していて…あああ」って感じ。

 

もう2巻で完結でいいんじゃないの?と思ったわけだが、期待を込めて3巻を読み進める。3巻はもうなんというか、文字通り宇宙スケールな展開で頭が四次元空間に突入した。1巻の壮大な幕開けがなんともちっぽけに思えるほどのドデカイ展開に、この作者の頭はもはや同じ人間ではないんだな、と感じずにはいられなかった(1巻の序盤から感じていたけどね)。ラストに向けて「スペシャル幕の内弁当DX全部のせ」みたいな怒涛の詰め込み感も圧倒された。2巻は美しい終わり方だったけど、3巻はそんな感じ。

 すべてを読み終え、ぼんやりと振り返ってみると、だいぶ大風呂敷を広げたストーリー展開だった気もする。でも、なんというか、消化不良な感じはあまり無く終わった心地。別にすべての要素を回収しなくても良い。むしろ回収しないことで、コアなファンが考察で楽しむことができるのだ。日本でもワンピースの考察でファンが楽しんでいるしね。ちなみに、中国では考察が行き過ぎてスピンオフ小説をファンの作家書いてしまったほどである。

 

以上です。はい。いろいろ感想書きたいけど、まあ、実際読むのが一番の本ですね。

 

この『三体』の読書体験も、育休の思い出の一つとして記憶に残っていくんだろうな。

あらためて、Audibleというツールがこの世にあることに改めて感謝したい。Audibleがなかったら、寝かしつけしながら『三体』を味わうなんてことは出来なかったしね。ナレーションも素晴らしかったし、『三体』だけのためにAudibleを契約してもいいくらいだと思う。『三体』はサブスク料金なのもお得だしね。そのうちサブスク対象外になってしまうかもしれないけど…。

 

二太郎が私の身体に慣れてくれたのも、この『三体』&Audibleセットのおかげである。本当にありがとうございました。

 

ついでに、来年早々にNetflixで映像化されるらしい。いや、楽しみすぎるでしょ、これ。

 

www.youtube.com

 

しばらくはネットで「三体」と検索し、あの物語全体の考察や感想記事に触れながら余韻に浸ろう。秋の夜長に、みなさんもいかがでしょ。