水曜日。晴れ。
午前中に二太郎を抱っこして散歩。
信号待ちのときにふとスマホを見ると、RSSのニュースで、私が所属する会社のネット記事が出てくる。細かいことは書けないけど、その記事では、うちの会社のエース社員が、いかにして新規事業を立ち上げるにいたったのか、そしてそれをどうやって成功に導いたのかがまとめられていた。
その記事を流し読みしながら、今までとはちょっと違うビミョーな気持ちになる。
今までだったら、焦燥感や嫉妬のような気持ちが先行していた。たまたま恵まれたポジションでやって、それが偶然当たったんでしょ。アナタ以外の沢山の人がその事業には関わっていて、その人達の力がなかったらうまく行かなかったでしょーーとかね。
でも、今はこういった考えよりも「この社員は、自分の時間や体力をたくさん投じて、こうしてインタビューされてるまでの位置に行ったんだよな」と、ちょっと謙虚な気持ちになっている。こう思うのも、エース社員は、やっぱり私よりも仕事にかけている思いや情熱が圧倒的に大きい、という事実を痛感するようになったからだろう。
私は、彼らエース社員のようにたくさんの責任を背負ってもいないし、この会社の顔として振る舞うようなこともしていないし、社内からの嫉妬に耐える免疫もないし、表舞台に出て感じる煩わしさも味わってはない。そりゃ仕事人としては雲泥の差になってもおかしくないんだよな。
心理的な変化。でも、前向きとも言えないので…なんともビミョーな心境の変化。
こういう考え方をするようになったのは、この本を読んだからだと思う。『コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル』。
Twitter、noteで話題の筆者が贈る、初の著書!
外資系大手コンサルティング会社を12年間生き延びた
元文系バンドマンでもできた“最速仕事術”とは!?
答えがあることを自分で考えない、
議事録は会議前に作れる、
迷子にならないための論点思考……etc
どんな業界でも使える門外不出の秘技を初公開!
・「”速い”はそれ自体が重要な価値だ」仕事のスピードを生む方法
・「3ヶ月後に何を言えれば成功なのか?」論点思考・仮説思考の型
・「ピカソの絵を買う人は値段を見て買わない」細部が生む説得力とは
・「自分の限界を会社の限界にするな」会社の〈集合知〉の活用法
読むか、残業か?
社会人1年目に知りたかった暗黙知のすべてが凝縮された
〈コンサルタントの仕事術〉決定版!本紹介より
コンサル業界を生きる人や学生の間では、かなり有名な方らしい。
私は筆者のことは知らなかったのだが、Audibleのオススメで出てきたことで知った。昨年、私が取得した「中小企業診断士」も一応コンサル系の資格であり、ちょっとだけコンサル業界には興味があったので、軽い気持ちで聴いてみた。そしたらまあ、これがとても面白かった。そして、最後まで聴き終えて、コンサル業界は諦めよう…と思った。
外資系コンサル会社で働いていた頃の経験を元に、激務のコンサル業界で戦い抜くための仕事の向き合い方を整理している。筆者自身のコンサル勤務時代のエピソードが面白く、ゴリゴリのコンサル業界で苦しみながら格闘し能力を身に付けていく姿は素直にカッコいいなと思った。
…ただ、本の中でも述べられているように、ワークライフバランスとは相反するコンサル業界の働き方を読んでいくと、なんとも恐ろしく、とてもこんな働き方は真似できないなと思ってしまう。
その仕事に己のすべてのリソースを投入しなければならない姿は、若い頃だったら「俺もやってみたい」と思えていたかもしれない。でも、良いか悪いかは別にして、やっぱり最初に家族のことを考えてしまう今の私では、到底生きていけない世界だろう。
高給ではあるけれど、時給で考えたらマクドナルドの店員より安いという一文は、「ああ、無理無理」と引いてしまった。
ちなみに、筆者は働き方に関してツイッターで炎上したことが有るそうな。それがこれ。
200時間残業やれとはまったく思わないけど定時退社生活してて200時間残業10年やってたオレたちに同じ場所で勝とうとは思うなよとは思う
— メン獄さん (@uudaiy) 2023年8月4日
このツイートを見て、「ああ、昔の上司もよくこういうことを言っていたなあ」、と苦笑しながら思い出す。
そうそう、最近になってワークライフバランスとか言われるようになったけど、少し前までは、このモーレツ感が本流だったんだよなね。そして、今だってこういう考えの人は根強くいるよね。表には出てこないけど。
かく言う私も、この言葉にちょっと共感してしまう部分もあるわけで…やっぱり、いかに効率的な働き方を追求できたとしても、こういう意識で働いている人には勝てないよな、と思うわけである。
ちなみに、筆者のYou Tubeを観ると、本で感じたようなキツめの雰囲気ではなく、昔の上司のような感じだったので笑った。
この本を読んで、少なくとも私自身が私生活にかなりのウエイトを置いた働き方になっていることを考えると、冒頭に感じた通り、会社の看板を背負う同僚には敬意を示さないといけないのかな、と思う日々です。
しかしまあ、復帰したら、どんな働き方になるのかな、おれ。まだまだ育休は続くけど、復帰の日が不安とともに頭をちらついてくるのであった。
不安ばっかりダラダラ書いている日記だね、我ながら。