育児してなきゃ酒浸り日記

30代のサラリーマンです。2人の息子と妻との日々を書いています。只今育休中です。

私たちはやっぱりドロドロを欲している。『氷点』を読んで。

 

 

三浦綾子の『氷点』を読み終えた。

 

(飛行機の中での『氷点』)

 

2月に北海道に行ったのだが、その際、せっかくだから北海道らしい作品を読んでみるかと思ってチョイス。上下巻なので読み終わるのに少し時間がかかった。

 

 

辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた――。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。

本紹介より

 

【あらすじ要約】

舞台は旭川

お医者さま(夫)と妻が平和に暮らしていたのに、妻がちょっとした浮気心をいただいた最中に、娘(3歳)が事件に巻き込まれて殺害される。夫は娘を失ったことと、妻が浮気していたことという、ダブルショックを受けるのだが、なんと、娘を殺した男はすぐに自殺してしまう。行き場のない感情は、妻に対する憎悪に一極集中することに。

自殺した犯人には、0歳の娘がいた。その事実を知った夫は、その娘を養子として引き取り、犯人の娘であることを隠しながら妻に育てさせることで復讐を果たそうとするのだが…。

 

 

お話はというと…まあ、ドロドロです。少女漫画っぽいというか、昼ドラっぽい感じ。登場人物みんなちょっとクセが強くて、誰にも感情移入できない(笑)上の通り、ちょっと要約っぽく書いてみたけど、我ながら「どういうことやねん」とツッコみたくなる。でも、この要約じゃ足りないくらい、次から次へとなにか事件が起こる。いじめ、不倫、急死、九死に一生、甘い恋愛、兄弟間恋愛、部下からの求愛、美魔女の逆恨み、最後に意外な事実…そうです、皆さんの大好きな要素、全部入ってます。え、私は興味ないって?またまた御冗談を(笑)

 

ともかく、最初から最後まで面白かったです。

 

読後、妻にも薦めてみたところ、妻は最初「意味わかんない。何この話。こんなのよんでんの」と不満を言っていたけど、徐々にのめり込んでいた様子。ちなみに、先月は義母が我が家に来てくれていたのだが、義母はこの『氷点』のファンだったらしく、その偶然にびっくりした。

 

というか、この『氷点』って、私が知らなかっただけで、かなり有名なのね。今から60年前に、日本中がこの『氷点』に夢中になったらしい。なお、日テレの「笑点」も、この氷点をもじったタイトルらしい。へえ、へえ。

 ドラマ化も何度もされているらしく、直近では、2006年に石原さとみが主演を演じていたようだ。知らんかったな。ちなみに、なんと今だけTVerで無料でドラマが観れるみたいです。4月9日までなので、ご興味有る方はぜひ。

 

tver.jp

石原さとみ、昔はこんな感じだったよなあ。妻と時間合わせてみてみようかな。

 

 

 

ちなみに、私はAudibleを使って耳読書中心で読み進めたのだが…この作品は耳読書がかなりおすすめ。

 

www.audible.co.jp

大抵のAudible作品は、読み手一人でキャラを演じ分けるのだが、この作品は贅沢なことに、登場人物ごとに読み手がキャスティングされている。そのため、朗読というよりもラジオドラマっぽい作品になっている。小説自体が台詞の多い作品なので、それがうまくハマっている感じがし、他のAudible作品とは違う魅力があった。私は二太郎の寝かしつけの時に楽しませてもらいました。

 

 

ちなみに、この『氷点』、どうやら続きがあるようだ。その名もズバリ『続・氷点』。続きはたしかに気になるけど…今は正直、上下2巻でかなりお腹がいっぱい。ドロドロ作品は一気に味わうと胃もたれしますからね。ちょっと時間をおいてから読んでみようかな。

 

しかしまあ、こういう非日常の小説を楽しめるというのは、なんという平和な心境なのだろうかと思う。自分も日々に忙殺されていると、こういうのは読む気にもなれないからね。ドロドロを通じて自分の平和な日々を感じたのでした。